医師への謝礼金

アングラマネーとは、政府がその実態を把握しきれていない非合法な経済活動を言います。暗黙の了解でごく当たり前のように支払われる医師への謝礼金もアングラマネーのひとつで、医師への謝礼金市場は年間で約2,700億円にも上ると言われています。厳密には、医師が謝礼を受取ることは賄賂を受取ることに等しい違法行為です。しかしながら医師への謝礼金は慣例ではないにしろ、手術や入院時に医師に謝礼金を贈った経験がある人は実に約3割にも上ります。しかも医師への謝礼金にはある程度の相場もあるとのことで驚かずにはいられません。

一般的に医師への謝礼金は、研修医や助手の医師には3〜5万円、主治医に対して10〜20万円、手術の執刀医には10〜30万円といったところが相場と言われています。また、謝礼金はお祝い事のご祝儀のように「一、三、五…」と肩書きに応じた段階的な金額的なランクがあり、「七、九」といった数字はご祝儀同様に忌み嫌われているとか!?謝礼金の額は肩書きや相場に応じるのが大半のようですが、手術の難易度や手術を執刀する医師の知名度、功績、患者さん側の懐具合によっては謝礼金として100万円単位を包むケースも珍しくないようです。

こうした医師の謝礼金が多いのは、私立病院の医師で謝礼金として月に100万円程、国公立病院の部長クラスも特に外科系の長であったりすると1回の謝礼金は5〜10万円、月平均で約40〜50万円は得ており、謝礼金の相場や金額は地域性や病院規模によってもかなり格差があるようです。またこの医師への謝礼金、病院の慣例ではない、謝礼は賄賂同様の違法であるのにもかかわらず、病棟の主任看護師などが担当医に謝礼を持って行くよう患者さん(またはその家族)に促すケースもあるそうです。

医師への謝礼金は「大変な手術をしていただいてありがたい」という患者さんやその家族の感謝の気持ちや、正直な部分では「他の人よりも少しでも丁寧に手術して欲しい」という人間の欲目が謝礼金という形になったのでしょう。しかし、謝礼金の有無で医師の手術の精度や良し悪しが変わることが絶対にあってはなりません。医師に謝礼金をわたした患者さんだけを特別扱いしたり、手術の技量を抜くということはありません。医師に謝礼金をわたす必要性はなく、それよりも大事な手術前には医師とよく相談をして信頼関係を築き、医師を信じることが大切です。手術後や退院後、どうしても感謝の気持ちをあらわしたい場合には心を込めたお礼のことば、気持ちを託した手紙などをわたす方がスマートで気持ちを受取りやすいでしょう。

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