医師の食事

医師の労働環境と言えば1週間当たりの労働時間は平均60時間以上、月の残業時間100時間、当直をはさんだ36時間連続勤務、オンコールで深夜の呼び出しなどその業務は過酷を極めます。病院に行けば外来で長い時間待たされることが当たり前なことからも分かるように、病院はいつも忙しく医師をはじめ病院スタッフも目まぐるしく働いています。そのため市販の栄養ドリンクを欠かすことはできず、特に残業や当直の夜は簡単に済ませることができるインスタント食、という不健康な食事を強いられている医師は少なくないようです。

また年齢差や個人差があるものの、基本的に食事は軽め、少食主義という医師もいます。2011年10月に満100歳を迎えた聖路加国際病院理事長・日野原重明医師は、理事長職以外にも診療・執筆・講演と精力的な活動をされておりそのライフスタイルは、土日を問わず1日18時間の仕事と5時間程度睡眠、そして朝食はフレッシュジュースとコーヒー牛乳、昼食は牛乳とクッキーで済ませ、ある程度まとまった食事をとるのは夕食だけという食事を徹底しているそうです。さらに世界を飛び回る有名脳外科医も朝食・昼食は同じくドリンクとクッキーなどの軽食で済ませ、夜は食事の時間が惜しいのでインスタントやレトルトなど簡単に済ますことができるもの、と精力的に仕事をする反面、食事内容はいたって質簡素。集中力を要する長時間の手術やハードワークをこなすのにそれだけの食事量でどうやったら耐えることができるのか疑うほど少食です。

さらに医師は基本的に手術の際、食事を摂りません。手術は4〜5時間で終わるもののあれば大手術になれば10時間以上はおろか20時間近くかかる手術もありますが、医師はお腹が空いても、ノドが渇いてもガマンと忍耐で乗り切るようです。中には軽食やお弁当を用意する医師もいるようですが、食事などによる手術の中断は時間的なロスを生み、患者さんへの負担も考えられるため休憩することなく継続するのが一般的です。そのため、次の日に手術の予定が入っている外科医の医師などは、前夜から水分は控え、血糖値を上げるために甘いものやエネルギー源に変わりやすい食事を意識的に摂るようにするなど手術に備える医師もいます。

実際には、手術中は緊張と集中力を要するため空腹を感じたり、他のことに意識がいくようなことがない現場であると言えるでしょう。手術時間が長引けばその分患者さんの負担は大きく、手術中に予測不可能な事態が起きないとも限りません。そして手術室は衛生管理が徹底されているため、一旦手術の手をおろすと着換えや滅菌・消毒手洗いを全てやり直さなければないため、大半の医師は手術中に食事を摂ることはないのです。

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